
ヘンドウテイオー連勝中 〜 変動金利は逃げ馬だ!
おそらく、変動金利を利用している方、あるいはこれから利用しようと
考えている方が多いためかと思います。
今回は「変動金利」を競馬でいうところの「逃げ馬」にたとえてみます。
変動金利のローンに「ヘンドウテイオー」と愛称をつけてみました。
ちなみに、競馬を全然知らない方にご説明すると、「逃げ馬」は
スタートダッシュしてリードを図り、逃げ切り勝ちの展開を狙う馬のことです。
(注※競馬についてまったく知らない方は、下の例話は理解しにくい場合があります。
途中はサッととばして、最後の結果のみ見ることをオススメします。)
◆◇ ◆
◆◇ ここ10年のレース結果はどうなっている?
そもそも、10年ぐらい前に住宅ローンを利用された方々は、住宅金融公庫
や年金住宅融資など、すべての期間が固定金利のものを選ばれるケースが
普通でした。将来の金利上昇を懸念してのことです。
誰も今のような超低金利が何年も続くとは思っていなかったからです。
しかし、現実は……ご覧のとおりです。
現在、お客様からも借り換えに関しての相談も多くいただきます。
そのほとんどの方は公庫などから長期の固定金利で借りています。
それに対して、銀行ローンなどで変動金利を選んだ方からの
借り換え相談は全くありません!
レースが終了した後にもっともらしい講釈をする競馬解説者のような
結果論になりますが、ここ10年は変動を選んだ方が、超低金利時代の
メリットを存分に受けることができたといえます。
◆◇ ◆
◆◇ 住宅ローンを競馬におきかえると
では、今まで買ってきた「変動金利」のローンを今後も利用すべきでしょうか?
まずは、住宅ローンを競馬に置きかえて考えてみましょう。
◇ 金利…………………………馬のスピード
◇ ローン完済までの期間……ゴールまでの距離
◇ 金利情勢……………………レースの展開
(高金利時代はハイペース、低金利はスローペース)
◇ くりあげ返済………………ゴールまでの距離を縮めるムチ
◎ 変動金利のローン…………「ヘンドウテイオー」
(一定期間固定を含む)
○ 固定金利のローン…………「コテイキング」
(全期間固定)
今、行われているレースはスローペースのため、短い距離(15〜20年)に
出走するヘンドウテイオーは1番人気です。
スタートダッシュ3年間だけは年利1%(某銀行)という驚異的なスピード
を持っております。スタートダッシュ後にも、かなりのスタミナを維持して
いるので十分にムチが入れられます。
レースなかばまでスローペースなら途中から徐々にハイペースになっても
追いつかれずに逃げ切る公算が強そうです。
◆◇ ◆
◆◇ 3年で何馬身の差をつけれるか
では具体的に、最初の3年間でどのぐらい「逃げられるか」を検証して
みましょう。仮に、2000万円を借りたとします。
1.3.0%固定金利2000万円で35年で借りる場合
年間923,640円×3年=2,770,920円
3年後のローン残高18,985,372円
2.某銀行1%ローン(3年間固定)35年で借りる場合
年間677,484円×3年=2,032,452円
3年後のローン残高18,546,454円
◆ 3年間分の返済金額の差額は…738,468円
◇ 3年後のローン残高の差額は…438,918円
《合計すると…1,177,386円》
なんと、トータルで100万円を超える差が出てしまいました!
返済した金額は約74万円少ないのに、ローン残高は44万円多く減って
いるのが不思議ですよねー。
しかも、3年後に手元にある74万円を全額くりあげ返済にあてて支払
金利を少なくすると、さらにその差が開いてしまいます。
この数字を見る限りでは、逃げ切れる自信も湧いてきそうですね。
えっ、ヘンドウテイオーの単勝に全財産を賭けたくなりましたか?
まあ、
「これから10年間はたくさんムチを打てる(『くりあげ返済』を行える)
ので、少なくともゴール目前までは迫れる自信がある」
という人は、ヘンドウテイオーを軸馬として考えていいでしょうね。
◆◇ ◆
◆◇ 逃げ馬が負けてしまうシナリオに注意
でもちょっと待って。逃げ馬が負ける時もあります。
こんな人は慎重になってください!
◇ レース前半にムチが入れられそうにない方
(この10年間で、十分なくりあげ返済の原資を用意できない)
◇ 今度のレースは必ずハイペースになると思う方
(ここ数年以内に金利は大きく上昇すると予想されている方)
◇ もしハイペースになったらついて行ける自信のない方
(金利が上昇して毎月の返済が増えたタイミングで家計が厳しくなる
ことが想定され、くりあげ返済の余力もない方)
以上のような方は、「ヘンドウテイオー」と「コテイキング」の2頭に
分散して賭けたり、場合によっては「コテイキング」の1点買いをする
ことも検討してみましょう。
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